パソコンの記憶装置は、情報を保管し、それにアクセスするための重要な機関です。
しかし、“記憶装置”といっても「メモリ」や「ストレージ」などその種類は様々で、それぞれ違った役割があります。
特に、これからパソコンを自分で組み立てようと考えている方の中には、用意する部品にマザーボードに挿すメモリや内蔵ストレージなど、どれを選びその容量がどのようにパソコンの動作に影響するのか分からない方もおられると思います。
今回はそんな“パソコンの記憶装置の種類と役割”について分かりやすく解説します。
メモリは、パソコンの中で実行中のプログラムやデータを一時的に展開するための作業用メインメモリのことです。
その容量は作業領域を表し、容量が大きいほどパソコンの動作を快適にしたり、一度に多くのアプリケーションやソフトの実行が可能になります。
逆に容量が少ないと、動作が遅くなったりパソコンが固まりやすくなります。
メモリに格納されたデータはパソコンの電源が切れると失われるため、データの永続保存にはHDDやSSDが必要です。
最近のマザーボードはメモリのスロットが4つあることが標準的ですが、挿す数や、箇所には注意が必要です。
CPUやマザーボードには同じメモリを複数枚同時に使うことで性能を向上させるシステムが備わっており、
2枚セットして使用するデュアルチャネル・・・帯域幅が2倍
3枚セットして使用するトリプルチャネル・・・帯域幅が3倍
4枚セットして使用するクアッドチャネル・・・帯域幅が4倍
(帯域幅とはデータの転送速度のことを表現しています。)
といった設置の仕方により、それぞれ数字が大きいものほど性能が高くなります。
しかし、CPUによって対応しているメモリの帯域幅や処理速度の上限が決まっていますので、
過剰な処理速度と帯域幅を持つメモリを組み込んでも過剰した分の性能は無駄になってしまうので、CPUを見ながらどの製品を選ぶか考える必要があります。
最近は2枚セットとか4枚セットで販売されていたりしますね。
HDDとは、磁気ディスク装置のひとつで、 パソコンなどほとんどのコンピュータに搭載されている代表的な外部記憶装置です。
保存できる容量が比較的多く、容量の割に値段が安いのが特徴ですが、
その反面データの読み書き速度はSSDに比べると劣ります。
衝撃に弱くデータの破損が起こる可能性があるのと、消費電力が高いこともデメリットと言えます。
ゲーミングパソコンで、ゲームしかしないのであれば必要無いかも知れませんが、
動画編集などもするのであれば、メディアファイルなどはストレージの速度を必要としないので、容量あたりの価格の安いHDDを利用した方が記憶スペースの節約になるでしょう。
SSDとは、フラッシュメモリとよばれる半導体デバイスを使用してデータの読み取りや書き込みを行うドライブのことです。
SSDには物理的な機械部品がないため、HDDによりも耐久性が高く、動作する際の静音性も高いです。
データを読み書きするスピードがHDDに比べ10倍以上と格段に早いのがメリットですが、大容量のSSDは高価格になっています。
パソコンの起動時間やソフトの応答時間を短縮したいのであれば採用するべきですね。
フラッシュメモリは熱や電気的なストレスに弱いため、HDDとは異なる故障リスクが存在します。
SSDは、データを複数のフラッシュメモリチップに分散して保存するため、1つのチップが故障するとデータの読み取りができなくなったり、パソコンが起動しなくなったりするなどの問題が生じることがあります。
HDD、SSDともに、パソコンに内蔵するタイプ(内蔵ハードディスク)と、USBなどで接続して使うタイプ(外付けハードディスク)があるので、そちらも今後記事に出来たらと思います。
メモリは、CPUがパソコンを動かす際に必要な情報を「一時的に記憶」させて、CPUが直接アクセスするもの。
HDDとSSDは、データを「長期的に保存」する記憶装置で、それぞれに容量あたりの価格と読み書き速度の違いがあり、パソコンの使用目的により必要性が変わってくることが分かりましたね。
作業スペースを広くし、処理速度を上げるのはメモリ。
電源・アプリの起動やデータの読み書きにかかるスピードを上げるのはSSD。
たくさんのデータを大量に保存するのはHDD。
というように、それぞれの役割があります。
パソコンの使用用途に合わせて必要なものを選んで取り入れるといいでしょう。